破格の人、家栽の人

本日天気は大変よろしかったのですが、己自身が昨日TVを見てて大雨洪水を引き起こしたため、体力回復に一日を費やしました、管理人です・・・;


わたくしの涙を搾り取って下さったのは『家栽の人』。(「かさい」の「さい」は「家庭裁判所」の「裁」ではなく「栽培」の「栽」。それだけでこの漫画の本質を表現している秀逸なタイトルだと思います)TV版はアニメでなくドラマだったのですが、配役はともかく(ぇ)内容は良かったと思います。


もともと桑田判事の審理は「推理小説的」で大好きです。「何故『少年』は背広を着ていたのか」「何故『少年』は料理人の命ともいえる包丁を凶器に使ったのか」「何故『少年』が万引きした本は『植物図鑑』だったのか」・・・ホワイダニットの世界ですな。「私はそれが知りたいだけなんです」桑田判事の決め台詞(笑)。


しかしながら今作の見所はそれだけではないです。少年法改正や凶悪犯罪の低年齢化等で揺れる昨今、敢えて「家裁は『少年』を罰するところではない、罪を犯した『少年』に立ち直るきっかけを与えるところ」とドラマ中に言っているところが凄いです。すんげー勇気がいると思います。今の世の中そんなこと言った日にゃぼこぼこにされるか犯罪人扱いです。


私も今回のドラマを見るまではそうでした。そんなのは理想論、被害者や被害者の遺族は救われない、とドラマでも何度も反論を受けてます。


だけど「『少年』は少年法に守られて、社会に出てのうのうと暮らしている」というのは本当だろうか?社会に出てるのは本当だけど「のうのうと」暮らしているなんて誰が見たんだろうか?


もちろんそういう救いようのない『少年』もいます。というかそっちの方が多いかもしんないです。だからといって全ての『少年』が「のうのうと」生きてる訳じゃないんですよ。それをマスコミや周囲が『正義』を振りかざしていつまでも追い掛け回す。石投げ込んだり落書きしたりゴミステーションにしたりする。しかもそういう行為を「犯罪」とは微塵にも思わない。タチ悪いです。自覚症状ないだけ本物の犯罪者より数十倍厄介です。


桑田判事も言っていたように罪は何をしても許されません。謝ったって何したって被害者は帰ってきません。遺族には一生恨まれて生きるしかないんです。ただ『少年』を恨みつづけられるのは遺族だけですよ。いずれ大きなネタがあったらそっちに飛びつくマスコミや、実際の痛みを知らん我々がしたり顔で裁きを下しちゃいかんのです。だから裁判所があるのですよ(笑)。


ただ私自身はハンムラビ法典万歳なので、やられた場合はやりかえします(爆)。


とまあそういう事をドラマ見た後で例の知人と討論したらば「RULIは人がいいからそんな事が言えるんだよ」と一蹴されました。その後も世間知らず、世の中の闇の部分を知らないと散々言われましたが・・・


自分はそれでいいと思います。諦めてしまうより、一人ぐらいそういう奴がいてもいいんじゃないかと。世間知らずで騙されやすいといわれても、人を信じられる方が私はいいです(笑)。


なーんて、ドラマ一本で考え方が変わっちゃうんじゃ「破格の人」にはきっとなれないなあ。でもいいや、凡人で。